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Q1.新しい住まいづくりのきっかけは?

 6,7年前、妻側の両親がいずれ歳をとった時に一緒に住める家が欲しいなと、夫婦で話し始めたのがきっかけです。当時住んでいたアパートは採光が悪く、カビが生えやすいことが不満でした。
  築年数が古い上に間取りも悪く、室内から洗濯物を干していた時に、開いた窓から子供が落ちそうになったことも。それに、遊び盛りの子供がいるので、音でご迷惑をおかけしてしまう事が気掛かりでした。
Q2.どんな家を建てたいと思っていましたか?

 私はのんびり静かな場所にコンパクトな家を建てたいと思っていました。イメージしたのは高度経済成長期に活躍された増沢洵という建築家の自邸である「最小限住居」。
  それは建築面積わずか9坪のミニマムな家ですが、妻には、「コンパクト過ぎる家なら1LDKのアパートと変わらないんじゃない!?」と呆れられ・・・。確かに、半世紀以上前なら9坪で良かったのかもしれませんが、現代の生活では求めるものがもっと多いですよね。そこで、2世帯同居も可能な現代版の実験的最小限住居を目指すなら、建築面積16坪以内で!という設定からスタートしました。
Q3.家づくりの進め方は?

 土地探しとプランニング、資金計画は全て同時進行でした。これらは仕事柄、毎日やっている事なので特に不安は無かったのですが、あったとすれば経済の浮き沈みによる金利変動のリスクですかね。また、家づくりは通常、住む人数を最初に設定して、それに合わせてプランニングを進めますが、私たちの場合はその人数が定まりませんでした。最終的には夫婦2人になるかもしれませんが、場合によっては両親を含めて最大7人になる可能性も。その上、自分の知識と経験を目一杯詰め込みたくなったり、夫婦で求めるものが違っていたり・・・。どうやったら上手くまとまるのか?と、その着地点を見つけるのが難しかったですね。設計の当初は複雑な構造を考えていましたが、それでは後々2世帯に対応できるだけの可変性が無くなると思い直し、初心に帰ってなるべくシンプルに。

  それからもう一つ、これから家づくりを考えている人達の手助けにもなるような、誰にでも取り入れやすい汎用性のある間取りにしたいとも考えていました。今にして思えば、妻の立場から考えると、夫が建築のプロという家づくりは結構大変だったんじゃないかと思います。なんだかんだ言って好き勝手にやられる可能性がありますしね(笑)。
Q4.何を重視して家づくりをしましたか?

 総2階の正方形にこだわることでコストを抑え、どんな土地・方角にも家を回転させれば対応できる柔軟な形を意識しました。特徴的なのは2階に持ってきた水回りですね。洗濯物を洗う・干す・仕舞うまでの一連の流れを2階にまとめようと最初から決めていました。というのも1階に広々としたLDK空間を叶える為です。狭く感じさせない工夫としては、1階も2階もぐるぐる回れて行き止まりのないシームレス動線を採用したところ。

さらに、1階と2階の一体感を感じられるように、視界を遮らないアイアンバーの手すりを採用した吹き抜けを設けたり。そして最も重視したのは、将来的な家族の変化に対応できるだけの間取りの可変性です。1階のパントリーを、あえてシャワーユニットの規格サイズで造ることで、将来的にお風呂に造り変えることを可能にしたり。また、吹き抜けに床を張って簡単な間仕切りを設ければ、2階にもう1部屋増設する事もできます。

  そうして、一つ一つに意図をもって造ることで、増築なしで2人~7人までがいつでも一緒に暮らせる家を実現する事ができました。
Q5.自身の家づくりをされて心境の変化はありましたか?

 今回は施主側として家づくりを進める中で、改めてスタッフの心遣いに気付くことができました。妻が内装をどんなテイストにしたいのか決め切れずにいた時にも、希望を聞いた上で、「もっと良い提案を!」と頑張ってくれた、その想いが嬉しかったですね。

  私にとって自分の家を造る事は長年の希望でしたので、今それが叶って一段落ですね。選択肢がたくさんある中での家づくりは本当に楽しいもので、それが終わってしまうのは少し寂しい気もしますが、新しい生活を想像すると楽しみな部分も大きいです。
Q6.家が完成したらしたいこと、楽しみにしていることは何ですか?

 広めのウッドデッキでBBQをするのもいいですね。妻は、自分の身長に合わせて造ったキッチンで料理をするのが楽しみな様子。子供たち、特に上の子は自分の部屋で自由に遊べるのを楽しみにしていますし、絵を描いたりモノを作ったりする事が大好きなので、いっぱい散らかしながら(笑)やってもらえたらと思います。子供たちには家の中でも外でも元気に走り回って、のびのびと育って欲しいですね。
Q7.これから見学会に参加される方へ。藤本工務店が開催する見学会の見どころは?

 本物の木の香りを体感して欲しいと思います。これまでの経験上、意外と勘違いされている方が多いと感じるのが、いわゆる『新築の良い匂い』が、集成材の床材等に含まれる接着剤の匂いだったりする事。もちろんそれらは、決して体に良いものではありません。自身の家もそうですが、私たちの造る木の家には無垢材が使われているので、住んでいくうちに艶が出てきますし、傷も味わいとして受け取れるのが魅力です。それと、参加されたおうちの間取りも参考にして頂けると嬉しいですね。図面だけ見ると、一見、何の変哲もない普通の間取りに見えるかもしれませんが、室内に立った時、数字以上に広さを感じられる間取りなど、住まい方に柔軟に対応できる可変性も体感して頂けるのではないでしょうか。
Q8.家づくりの専門家として、これから家づくりを始める方へメッセージまたはアドバイスをお願いします。

 今回の家づくりを通して、完璧や理想を求めて検討をする楽しさと同時に、それを求め続けても実際に物事が進んでいかないというジレンマを実感しました。自分の理想を詰め込んだ家と、家族が求める家とは必ずしも一致しないということですね。また、その解決には多くの知識と経験が必要だという事も改めて実感することができました。ですので、これから家づくりを考えている皆さんは、自分の中だけであまり深く考え込まず、もっと気軽に私達専門家に相談して頂ければと思います。
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